監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
マニフェストは、排出事業者が処理を委託した産業廃棄物が、運搬・処分まで正しく流れたかを自分で確かめるための伝票です。産業廃棄物を処理業者に引き渡すときは、必ず排出事業者が交付します。このページでは、紙と電子の流れ、返送の期限、熊本県の決まり、産業廃棄物収集運搬業許可を持って運ぶ側の義務をまとめます。
マニフェストの基本
- 交付するのは排出事業者産業廃棄物の種類・数量・収集運搬業者・処分業者などを書いて交付します。処理業者が一部を印字しておくことはできますが、交付日・担当者・種類・量などは排出事業者が書きます。
- 紙か電子か複写式の紙マニフェストと、情報処理センターを使う電子マニフェストがあります。電子を使うには、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3者とも加入が必要です。
- 電子が義務の事業場前々年度に特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)を50トン以上出した事業場は、その特別管理産業廃棄物の処理を委託するとき、電子マニフェストを使わなければなりません。
- 業種が決まっている品目紙くず・木くずなど業種が決まっている品目が、ほかの業種から出たときは事業系一般廃棄物で、マニフェストはいりません(業種が決まっている7種類)。
紙マニフェストの流れ
- 1
交付(引渡しのとき)
排出事業者
必要事項を書いて、産業廃棄物と一緒に収集運搬業者に渡します。A票を控えとして保存します。
- 2
運搬の終了
収集運搬業者
処分業者に引き渡したら、運搬を終えた日から10日以内に、B2票を排出事業者に送ります。B1票は自社の控えです。
- 3
処分の終了
処分業者
処分を終えた日から10日以内に、D票を排出事業者に、C2票を収集運搬業者に送ります。
- 4
最終処分の終了
処分業者
中間処理のあとの最終処分が終わった報告を受けたら、10日以内にE票を排出事業者に送ります。
- 5
返ってきた票を確かめ、5年保存
排出事業者
A・B2・D・E票を照らし合わせて確かめ、それぞれ5年間保存します。
返送の期限と、返ってこないとき
| 返ってくる票 | 交付の日からの期限 |
|---|---|
| B2票・D票 | 90日以内(特別管理産業廃棄物は60日以内) |
| E票 | 180日以内 |
期限までに返ってこない場合、または返ってきた票に書くべきことが書かれていない・うそが書かれている場合は、排出事業者は処理の状況を確かめて、生活環境への支障を防ぐ措置をとり、その結果を「措置内容等報告書」で知事に報告します。
電子マニフェストの流れ
- 排出事業者の登録産業廃棄物を引き渡した日から3日以内(土日・祝日・年末年始を除く)に、情報処理センターに登録します。
- 終了の報告収集運搬業者は運搬を、処分業者は処分を終えた日から3日以内に、情報処理センターに終了を報告します。センターから排出事業者に通知が届きます。
- 紙が残らない伝票の送り合い・保存の手間がなく、知事への年1回の報告も、センターが代わりに行います。
熊本県の決まり
- 年1回の交付等状況報告紙マニフェストを使った排出事業者は、毎年6月30日までに、前年度の交付の状況を、事業場ごとに管轄の保健所(熊本市内の事業場は熊本市)に報告します(電子マニフェストの分は不要)。
- K票(熊本県独自)熊本県では、K票の付いた熊本県版の紙マニフェストを使います。熊本県産業資源循環協会で有償で配布されています(協会)。処分業者が処分完了後の「K票」を、処分完了の翌月10日までに県の循環社会推進課に送り、県が記載内容を確かめています。県の担当者から、内容の確認の電話が入ることがあります。
運ぶ側(収集運搬業者)の義務
- 交付前に引き受けない紙マニフェストを使う場合、マニフェストの交付を受けずに産業廃棄物を引き受けてはいけません。
- 運搬中は書面を車に運搬車両には、許可証の写しと、マニフェスト(電子の場合は、決められた事項を書いた書面や画面)を備えておきます。
- 期限内の送付と5年保存運搬を終えた日から10日以内にB2票を排出事業者に送り、B1票・C2票を5年間保存します。電子の場合は3日以内に終了報告をします。
- うその記載はしない運搬していないのに運搬終了を書く、量や日付を偽る、といった記載は違反です。
マニフェストの違反は、罰則と許可に響きます
マニフェストを交付しない、うその記載をする、送付・保存をしないといった違反は、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象です(会社も罰金)。罰金刑を受けると欠格要件に当たり、産廃許可の取消しにつながります(罰則と、許可の取消し)。
許可を取った後の決まりも、ご案内します
行政書士事務所WITHNESSでは、産廃許可の取得のときに、マニフェストや車両の表示など、許可を取った後に守る決まりもあわせてご案内しています(許可を取った後に必要なこと)。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第12条の3〜第12条の5・第27条の2、同法施行規則 第7条の2・第8条の20〜第8条の31の5、熊本県循環社会推進課「産業廃棄物管理票(マニフェスト)制度について」、熊本県産業資源循環協会「マニフェスト・委託契約書のご案内」。2026年10月時点の内容です。




