監修:行政書士 渡邉徳人(行政書士事務所WITHNESS 代表・熊本県行政書士会 第05430405号)最終更新日:
産業廃棄物は、出した事業者(排出事業者)が自らの責任で処理するのが原則です。処理業者に任せても、その責任はなくなりません。このページでは、排出事業者の責任と、処理を任せるときの委託契約のルールを、産業廃棄物収集運搬業許可を持って運ぶ側から見て気をつける点もあわせて説明します。
排出事業者の責任
廃棄物処理法は、事業者は事業活動で出た廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければならない、と定めています。自分で処理できない場合は、許可を持つ処理業者に委託できますが、委託したあとも、最終処分が終わるまでの処理の状況を確かめるよう努める義務があります。
- 自分で運ぶ・処分するとき処理基準・保管基準を守ります。自社の廃棄物を自社の車で運ぶだけなら、産廃許可はいりません(建設工事の廃棄物)。
- 委託するとき許可を持つ業者と書面で契約し(委託基準)、マニフェストを交付して、処理が終わったことを確かめます(マニフェスト制度)。
- 建設工事の場合工事で出た廃棄物は、元請業者が排出事業者です。下請業者が運ぶ場合も、元請業者からの委託と、産廃許可が必要です。
- そのほかの義務帳簿の備付け、一定規模以上の事業場の処理計画の作成と報告、特別管理産業廃棄物を出す事業場の管理責任者の設置(管理責任者)などがあります。
委託するときの基準
処理を委託するときは、廃棄物処理法の「委託基準」を守ります。
- 許可を持つ業者に運搬は収集運搬業の許可を持つ業者に、処分は処分業の許可を持つ業者に委託します。委託する廃棄物が、その業者の許可の事業範囲(品目・有効期限)に入っていることを、許可証で確かめます(熊本で産廃の処理業者を探す方法)。
- それぞれと直接契約収集運搬業者と処分業者には、それぞれ排出事業者が直接、契約します。運搬業者が処分業者との契約をまとめて引き受ける形は認められません。
- 書面で契約し、5年保存契約は必ず書面で結び、相手の許可証の写しなどを添えます。契約書は、契約が終わった日から5年間保存します。
- 特別管理は事前に通知特別管理産業廃棄物を委託するときは、委託する前に、種類・数量・性状・荷姿・取扱いの注意を、相手に書面で知らせます。
委託契約書に書くこと
| まとまり | 書くこと |
|---|---|
| 廃棄物 | 委託する産業廃棄物の種類と数量。性状と荷姿、腐敗・揮発など性状の変化、ほかの廃棄物と混ざったときの支障、石綿含有産業廃棄物・水銀使用製品産業廃棄物などを含むかどうかなど、適正な処理に必要な情報 |
| 運搬 | 運搬の最終目的地の所在地。積替え保管をする場合は、その場所の所在地・保管できる量など |
| 処分 | 処分・再生の場所の所在地、方法、施設の処理能力。中間処理のあとの最終処分の場所の所在地、方法、処理能力 |
| 受託者 | 受託者の許可の事業範囲 |
| 契約 | 契約の有効期間、委託者が受託者に払う料金、上の情報が変わったときの伝え方、業務が終わったときの受託者からの報告、契約を解除したときの処理されていない廃棄物の扱い |
再委託は原則として禁止
委託を受けた業者は、その廃棄物の処理を、さらに別の業者に委託してはいけません。例外は、排出事業者があらかじめ書面で承諾するなど、法律で決められた基準に従う場合などに限られます。責任の所在があいまいになり、不適正な処理につながるおそれがあるためです。
違反すると、排出事業者も罰せられます
「業者に任せたから」は通りません
無許可の業者や、許可の品目・期限から外れた業者に委託すること、書面で契約しないことは委託基準違反で、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象です。マニフェストを交付しない、返ってこないのに確かめない、相場より極端に安い料金で委託して不法投棄を招いた、といった場合には、委託先が不法投棄をしたときに、排出事業者も撤去などの措置命令を受けることがあります(罰則について)。
運ぶ側の収集運搬業者にとっても、許可証の写しを渡し、契約書の事業範囲と許可の内容を合わせておくことは、取引先に選ばれるための前提です。許可の品目や期限が契約と合っているか、更新・変更のたびに見直します(変更許可と変更届)。
許可の取得から、取引先への説明まで
行政書士事務所WITHNESSでは、産廃許可の取得・更新・変更のほか、取引先との契約で求められる許可の範囲についてのご相談にも対応しています。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第3条・第12条・第12条の2・第14条・第19条の6・第21条の3・第26条、同法施行令 第6条の2・第6条の6・第6条の12、同法施行規則 第8条の4の2。2026年10月時点の内容です。




